スポーツライフを謳歌する日常の日記

スポーツに関わる仕事をしています。これまでの苦労や知恵など共有できればと思います。

高校球児の生活(通い)

愚息が高校に入学する前は、高校野球をやるなら寮に入って、朝練して学校終わったら暗くなっても練習してという強豪校にある姿を想像していた。

しかし実際には自宅から通える私学に入学することになり7ヶ月が経過した。思うことは沢山あるが自分が選んだ道である。先日、この高校野球部の親父会があり、情報交換をしてきた。監督の戦術についてや、学校生活、野球部の情報、家庭生活など和気あいあいと話して、親父と選手たちの関わりなど各家庭によって色々あるもんだなと思った。

いずれにせよ、息子が高校野球をすることによって、親父たちが楽しく酒を飲む機会が作れたから、良かったのかな。あと1年半、悔いのない様に取り組んで欲しいものだ。

 

 

自分に合ったバットを選択するためにどうするか.

硬式野球の打者にとって,自分に最適なバットとの出会いは野球で成功するための一つの重要な条件だ.

 

自分に合ったバットの重さと長さ,もっというと重心位置,グリップの太さ,エンド部分の形状などは非常に重要だ.

 

しかし,どのような形状のバットが最適なのかを知ることは難しい.

イチロー選手は,当初より篠塚モデルを使用してバットに自分を合わせるという手法をとっている.イチローのバットはヘッドバランスでしかも920gとそこそこの重さであり,しかも全体に細い,すなわち密度が濃い木を使っている.

 

反対に,松井秀喜は自身の体力や体の変化に応じて,バットを変えて結果を残してきたようだ.一般的には,松井のように体の変化に応じてバットを変える選手の方が多いと思うが如何だろうか.

 

高校野球や中学硬式では,金属バットを用いることが一般的であるので選択の幅は広くないだろうが,大学野球や社会人,プロでは選択の幅が広すぎて,自分にどのようなバットが最適なのかを知ることは難儀な作業ではないだろうか.

多くの選手のやり方は,他人のバットを借りて振ってみて,打球を打って試すのではないでしょうか.そして,しっくりとくるとその形状に合わせたバットを作ってもらったり,或いは,自身のバットから,あと数グラム重くするや軽くする,ヘッドバランスにするなど調整をしていくのではないでしょうか.

 

私が知る限りにおいて,プロ野球選手が使っていたバットを同時に何本も試せる場所がある.

 

なんと600本もの名選手のバットを展示している場所がある.

 

南砺(なんと)バットミュージアム

南砺バットミュージアム|ジャンル別観光案内【観る】美術館・資料館|福光観光案内所|自然豊かな棟方志功ゆかりの地

 

ここで,名選手のバットに触れしっくりきた一品をオーダーするのが成功への近道ではないでしょうか.

 

 

 

中学硬式野球のバットについて考える Ⅱ

shiranaitoson.hatenadiary.jp

以前のブログで中学1年生11月時点で硬式野球のバットの重さと長さについて書いた.

 

なんとこの記事が,このブログへのアクセス数No.2 と意外と高いことが分かった.

そこでその記事から9か月後の中学2年生8月時点(身長156cm体重48kg)での経過をまとめようと思う.

 

結論から言うと,未だに80cm 750g(オールラウンドバランス)のバットを試合では使っている.

 

アベレージヒッターの息子にとっては,しっくりくるようでここ最近の打率は5割は超えているだろう.5-6月頃,もう少し長くて重いバットを使用した期間があったがその時はあまり好ましい結果はでなかった.今現在,80cm 750gのバットを素振りした際のヘッドスピードは100~110km/hの間ぐらいだ.

 

しかし,このままで良いのか? もっと上のレベルを目指さないといけないのではないだろうか,という見方がある.ヒットと言っても,ほとんどが単打か内野安打だ.コーチからもそろそろ,バットをもう少し重くしても良いのではないかとアドバイスをもらったそうだ.

 

もちろん,練習では木製バット,83cm,850gを振っている.

試しに84cm 830g(ヘッドバランス)を素振りさせてみると,ヘッドスピードは100~105km/hぐらいだ.であれば,単純に重い方が当たれば飛ぶということになる.しかし,試合では投手のタイミング,コース,変化球などに応じたスイングができないとボールはミートしない.

理想的には,82cm,800g,ミドルバランスのバットを振れるようになると良い時期なのかもしれない.

 

 

 

84cm,900g以上をビュンビュン振れるようになったら楽しいだろうなと思う.

 

 

部活動の外部委託について.

中学生における部活動は,本格的にスポーツに取り組むきっかけとして非常に重要な位置づけである.

 

しかし,昨今,ブラック部活など部活動の有り方,教員の関わり方などが微妙な状況であることが報道されている.

そこで本日,地元の中学校校長に現在の部活の問題点についてヒアリングをしてきた.

 

論点は,下記の2点

1.なぜ部活動の数を増やせないか.

(この中学には陸上部,水泳部がない.男子バレー部も本年度から顧問がいなくなり廃部.バドミントン部は顧問が異動したが,新任の教員が引き受けてくれたので何とか存続,入りたい部活がないから帰宅部になる生徒も多数)

 

2.外部コーチに部活指導を任せることで教員の負担を減らせるのではないか.

 

まず,論点1について.

校長の回答は次の通りであった.

現在,部活動を2人顧問体制にしているので種目を増やせない.

2人体制にしている理由は,1人の都合が悪くなってももう一人がみることができる.

7:00からの朝練習,16:30~18:30までの活動は,いづれも勤務時間外.

部活動の顧問は,勤務時間外なので学校として顧問を任せることを強制できないとのことであった.基本的に先生本人の ”顧問を引き受ける合意” があってはじめて部活動が成立するので,合意が得られないと,部活動の活動を止めざるを得ない状況があるとのこと.

また,公立中学では基本的に7年で別の学校に異動するので部活動が継続できるかどうかは顧問がいるかどうかにかかっているとのこと.

そして,教員の異動は正課授業の担当科目に紐づいているので,指導可能な部活動についてはあまり考慮されないとのこと.

 

保護者の意見

2人体制にしていることは理解できるが,その為入りたい部活動が存在しないことによる帰宅部生にならざるを得ない状況があることを理解してほしい.2人体制で部活動を存続させることと,帰宅部の生徒が増えることは両天秤にある.どちらかを手厚くすれば,どちらかが部活という教育サービスを受けられなくなる.そのことを理解して欲しい.市町村によっては,もう少し様々な部活に力を入れていて異なる状況もある.他の学校の例を参考にするなど工夫して欲しい.

 

校長の意見

部活動のあり方は,基本的に各学校に任されている.入りたい部活動があるかどうかは地域性もあるので,同じ公立中学でも部活動の種類に差があるのは仕方ないこと.〇〇市に〇〇部がないのは昔からで,仕方がない.

部活動を担当している教員は,朝7:00~,帰宅は20:00~21:00ぐらいになる.勤務時間外にこれ以上時間を割き,教員の負担を大きくしたくない.

他の市町村の例を参考にするのは教育委員会であり,教育委員会は他から情報を仕入れていると思うが,学校単位では,各学校内で実情に合わせ部活動をどのように運営するかを検討している.

 

次に論点2について,

保護者の意見

部活動の顧問を引き受けることが教員の負担になるのであれば,外部指導者に委託すればよいのではないだろうか?

文部科学省スポーツ庁も次のような資料を提示し,学習指導要領にも教育課程外の教育活動と教育課程の学習活動を関連させること,地域との連携を図り持続可能な運営体制を整えることを学習指導要領でも示している.

運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議(第1回) 配付資料:スポーツ庁

 

 

校長の意見

外部指導者に協力をしてもらえると,教員の負担も減り,部活動の時間中に授業準備ができるなどメリットがある.しかし,次のようなことが問題となる.

1)〇〇市の外部指導者の報酬は1年間で3万円である.

国が外部指導者の活用を促進するとか,国家資格化するとか言っても予算化するのは市町村なので,市町村の予算がつかないと外部指導者にお願いできない.

 

2)外部指導者にお願いをしても,新しい部活動を増やすためには顧問を引き受けてくれる教員がいないといけない.現状,顧問を引き受けてくれる教員はいない.顧問を引き受けるのも勤務時間外の労働をお願いすることになるので,強制はできない.

 

3)外部指導者は,特定の運動種目の専門家であるが部活動の目的は,仲間づくりや社会性を身につけることが目的である.教育の一環であることを理解した外部指導者でないと困る.

 

4)外部指導者が大会への引率ができる等,活動範囲が広がることは良いが,顧問と外部指導者の関係を上手くしないと,選手は外部指導者の言うことは聞くが,顧問の言うことは聞かないというような問題が生じる.

 

5)近隣の他校と合同の部活動にする案もあるが,球技などはチーム単位で動くので一体感が得にくい,本務校の生徒への指導が中心となりひいきになってしまうなどの問題がある.

 

まとめ

中学校の現状は良くわかったが,結局,部活動に対するリソース不足を感じた.

施設については少子化が進み生徒数が減っているので,不足はしていないと思う.しかし,生徒数の減少に伴い教員の数が減り,結果として部活動の種類が減るということが起こっている.

部活動は教師の正課外教育としての仕事の側面を持つが,勤務時間外に行われていることから,極めてあいまい,グレーゾーンの中で教員一人一人のやりがいのみで成立している.

この校長,かつては自身の専門外であった〇〇部を全国大会に導くなど熱心に部活動,生徒指導に取り組み成果を挙げてやりがいを持って取り組んできた方であった.しかし,そのことを今の若い教員に強制はできないし,過重労働を解決しないといといけないという立場であった.

 

何とも難しい問題であるが,昔はもっと熱心な先生が不良するなら部活で身体も心も鍛えてやるという感じであったと思う.今は,部活は生徒の自主的,自発的な活動だから,やりたいという生徒がいなければ,勤務時間外に顧問を引き受けて指導をするのは大変だという立場だと思う.古き良き時代の文武両道は今や遠い過去.過去には回帰できないので新しい時代にマッチしたスポーツ,教育のあり方を作って行くことが求められている.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マレットフィンガー

野球少年の息子が、左手中指を突き指したという。

 

アイシングして、その後湿布でも貼っておけば、と言っていたのだがどうも腫れが治っていない様子。痛みはないらしく、バッティングも好調。

 

それでも右手の中指に比べると1.3ぐらい太くなっているので、受傷5日後に近所の整形外科を受診させた。レントゲン撮影の結果、脱臼、骨折しているらしく、そこの病院の先生はお手上げで、指の専門医を紹介され翌日、大病院に行き診察。

 

大病院の専門医が徒手手技で整復を試みたが、その後のレントゲン撮影でも整復できていないことが判明し、詳細を調べるためにCT撮影をすることになった。3次元の画像で様々な角度から検討した結果、マレットフィンガーと診断され、その日のうちに手術をすることになった。

 

たかが突き指だと思ったのが誤りで、例え痛みがなかったとしてもきっちりと治療が必要だ。原因はグローブをして左手でボールをキャッチした際に、手のひらではなく指の先付近でキャッチして突き指状態になり、グローブの中で逃げ場のない第二関節が固定された状態で、第一関節が ボールの勢いで急激に伸ばされたことが考えられる。

 

治療には1〜2ヶ月ぐらいかかるようだ。この間にしっかり走り込んで、身体を鍛え、手が治る頃には一回り成長していて欲しいものだ。

 

X線撮影  受傷後1W

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CT撮影  受傷後1W 

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左は術前、右は術後

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術後の状況  針金が2本入っている

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右写真、術後4w1d で固定針金を抜き出した。  まだ第一関節の背面の骨形成が不十分

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左写真はピン抜き出し後、5d              右写真はピン抜き直後    

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 ピン抜き直後から5日後には少し骨形成が進んだ様子。

完全回復まではもう少しかかりそう。

 

速く走るために

中1の野球少年に陸上競技経験のある私が走り方などを定期的に教えてきた。そこで昨日、速く走るために必要なことを、息子たちに聞いてみた。

 

腕を大きく速く振る

ストライドを長くする

脚を速く動かす(ピッチを速くする)

重心の真下にフラットに接地する

骨盤を動かす

姿勢を正しくする

体幹を安定させる

 

など、沢山の意見がでた。確かにこれらは間違いではないし、全て速く走るために重要な要素だ。私自身が教えてきたことで間違いではないだろう。だがしかし、決定的に欠けている要素がある。

 

「他に何があるか考えてみて。」と質問を投げかけた。

 

んーー、頭の位置が、、肩甲骨が、、など言っているので、私は「違うんだよね~。そういうのも大事なんだけど、、」と促した。

 

すると1人の少年が

「負けないで速く走ろうと思うこと」 といった。正に待っていた言葉だ。

さすが開〇中学に入るだけのことはある。

すると、「集中力」、「気合い」、「リラックス」など様々な意見がでてきた。

 

普段は意識していないかもしれないが、負けん気、集中力、リラックスなど、メンタルな部分も速く走るためにはコントロールできるようにならないといけない重要な要素だ。最近は技術論より大事ではないかと感じている。

 

さらには、速く走れるだけの「身体」を作らなければいけない。

 

スポーツで成功するには、「心」「技」「体」の3要素が高いレベルで揃っていなければならない。ともすると技術論に偏りがちだが、速く走るという単純なことを成し遂げようと思っても奥が深いことに気付いてほしい。

 

 

 

 

中学野球における怪我の予防

硬式ボールを扱い始めたばかりの中学1年生の怪我の発症率は高いと感じる。

その原因は1つだけではなく、複数の要因が重なることで障害発症率が高まると思われる。

箇条書きにすると

・成長期であること:  骨が伸びるスピードが早く筋の成長が追いつかない状態で骨端線が閉じていなく軟骨が剥離しやすい。  オスグットや野球肘、野球肩の原因として共通する。

・股関節周辺の柔軟性低下:  股関節の柔軟性が低下すると上半身優位で投球動作が行われ、肘、肩に負担がかかりやすい。

・投球フォームの不備:  肘が下がり、下半身との連動性に乏しいと肘に負担が生じる。

 

上記の原因についてもう少し詳しく、柔軟性の低下や疲労が蓄積する原因を考えて見る。

⑴動作不良---投球動作、走動作に不備があり特定の部位に負担が生じる。

⑵ストレッチ不足---単に固い箇所を静的に伸ばすだけではなく、PNFや軽い反動動作によるストレッチ-ショートニングサイクルを利用した動的ストレッチ

⑶栄養不足---主食、主菜、副菜、乳製品、果物が揃った食事、栄養価の高い捕食、+サプリメント

⑷睡眠不足---十分な睡眠時間の確保、成長ホルモンの分泌、蛋白同化の促進、身体のバランス回復

⑸休養日(回復日)---筋の回復には24から48時間ほど必要とされている。週1〜2日は休養日を設定して回復に努める。ただ何もしないよりかは軽く動かすことで回復が早まる。

 

これらのことに気をつけてスポーツ障害が生じない様に力をつけて取り組んで欲しい。